2020/05/22

高校野球が全てじゃない

高校野球が全てじゃない。

僕は知っています、その言葉が今の彼達にとってどんな紙切れよりも薄く軽々しいことを。

高校野球に情熱を燃やし、かつて甲子園を夢見た同級生、友人、先輩後輩のSNSでは中止決定の瞬間から

みんな口を揃えて

“かける言葉が見つからない“

僕も同様にです。探しても探しても。。

きっとその言葉は存在すらしないのかな。

目前にして奪われた【夢】への挑戦権。

小さな脳みそですので経験談でしか話す事は出来ませんが。。

有難い事に母校平安高校は毎年甲子園を狙える位置、裏を返せば平安の門を叩く生徒、親御さんは甲子園出場、その先の全国制覇も「明確な目標」として入学してきます。

当然過酷な練習だけでなく、性格や私生活がプレーに出る。と厳しく指導され、時代と共に教育方法は変われど、そのほとんどは幼少期から親子共に多くの時間を犠牲にし、高校3年間はあらゆる理不尽さえも【甲子園】の為ならと受け入れ

部活動は「教育の一環」だからこそ、野球を通して「準備、感謝、自信、謙虚」を学び、その先にある「夢は叶う」と言う最大のテーマさえも最後の夏に教えていただきました。

[叶う]事を知っている強の歌詞には「夢」がよく出てきます。

しかし歌手としてメッセージを多く発信していく中で、今回の開催中止は彼達に【夢の大切さ】どうやって説明すれば良いのか

僕達大人が子供達から【夢】を奪ってしまったのでは?とさえ思う事も。本当にごめん。

他人の事でこれほど心が動き、悲しい気持ちになる事は多くはありません

それはきっと夏のあの瞬間の為、僕達はひたすらに情熱を燃やし、心身共に滅ぼす覚悟さえもして高校野球に向き合っていたんだなと。

当時の同級生主将は現在平安高校教員として野球部のコーチをしています。

同級生LINEグループだから明かしてくれた胸の内にも無念と3年生を思う気持ちが滲み出ていました。

僕みたいに好き勝手言えるただのOBでは無く、当事者の彼から3年生に送ったメッセージがあまりにも胸にストンと落ちてきたので

スクショを掲載して良いか?と確認しましたが、「俺は裏方の人間やし、あれは3年生と俺たち同級生だけに送ったメッセージだから」とグランドを離れたら控えめな姿も生徒達を厳しさという愛情で導く彼らしい。。

ただこれは野球部コーチでは無く同級生として紹介させて欲しい。(以下、LINE一部抜粋)

【指導者としてではなく、平安野球部で育った先輩として送ります。
卒業してから平安高校の偉大さが分かります。
平安高校は誇らしい!
たくさんの人に支えられ、たくさんの人に応援してもらって今がある。
みんなが平安高校に入学して出会った仲間は一生の宝物です。
だからこれからもチームメイトという宝物を大切にしてほしい。
一生!今はそれぞれ複雑な思いがあると思います。
その思いをこれからの糧にしてほしい!!!
人生の糧に!
平安を卒業する時も、10年後も、20年後も、50年後も…最高学年でこんな経験をした君達にしか分からないから強くなれる。
これからも強くなれる!
頑張ろう!

家族を含め、支えて下さった多くの方々がみんなと同じ思いをされています。
大好きな野球をさせてもらっている感謝の気持ちは絶対に忘れるな!!!

。。言葉を扱う仕事でありながら、この‍LINEの前では、どんな素晴らしい言葉でも、僕が3年生にかける言葉なんて見つから無いよな。と妙に自分に納得してしまいました。

原田監督も同様に

僕達の何1000倍の悔しさと無念を内に秘め、他者を慮る気持ちを発信出来る。

この歳になってもハッと気づかされ、学ばせていただいている。

3年生のみんな、君たちは生涯の指導者に、その若さで出会えたんだ。そんな幸せな事は無いぞ。

高校野球に全てを注いだ君たちが、立派な大人になれる様に全力でサポートしていく事が、僕達大人の仕事だね。­

そしていつの日か次の世代に君達だからこそ伝えれる言葉で言ってくれ

高校野球が全てじゃない。

戦いはまだまだ続く、頑張ろう高校球児

頑張ろう最後の発表の場を奪われた全てのアスリート達

間違い無く君達は勇者だ。